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建物の空室と防犯について

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2021.3.12

空室が犯罪の温床に?犯罪に利用されやすい物件とは

コロナ禍により、オフィス以外で仕事をするリモートワークやワーケーションといった新しい働き方の広がりが見られます。その影響もあってか、都心と隣接する郊外へ移住したり、オフィスの移転などで建物の空室も増加傾向にあるようです。空室つながりでいうと、空室は犯罪行為に利用されることもあるようです。今回は、空室がどのような犯罪に利用されてしまうのか、空室の管理や防犯対策についてお話ししたいと思います。

増えている空室を利用した犯罪例

増えている空室を利用した犯罪例

空室が犯罪に利用されるというイメージはつきにくいかもしれませんが、実際にどのように空室が利用されるのでしょうか。
例えば、宅配業者に空き部屋の郵便受けや宅配ボックスに荷物を届けさせたり、通販などで不正購入した荷物を空き部屋に配送させて住人を装った人物に受け取らせるなど、主に荷物の受け取りに悪用されるケースが多いようです。昨今では、置き配や直接荷物を受け取らない風潮を悪用した特殊詐欺も増えているようです。
中には、幸いにも宅配業者が不振に思って犯罪に気付いてくれたり、たまたまリフォーム会社が作業をしていたことで、犯罪を未然に防げた事例もあるとのこと。しかし、空室が犯罪の温床となることは大きな社会問題となっています。

狙われやすい物件の特徴とは

狙われやすい物件の特徴とは

狙われないためには可能な限り空室を出さないことであると思いますが、転勤や引っ越しで入居者の入れ替わりは必ずあると思います。入居者の都合で契約後でも一定期間は昼夜住人不在といったこともありえます。それではどのような物件が狙われやすいのでしょうか。例えば、集合ポストがチラシなどで溢れていたりすると、その部屋が空室であると把握されてしまいます。そのほか、エントランスや廊下などの共用部分が薄暗い、手入れされていないなど、人が寄り付かなそうな環境も挙げられるかと思います。
また、オートロックなど防犯設備が整っておらず、部外者が簡単に侵入しやすい建物や侵入者が時間をかけて何らかの作業できる環境も狙われやすい要因の一つといえるでしょう。
つまり、管理が弱い建物が狙われやすいといえます。管理会社様やオーナー様においては、空室を犯罪の温床にさせない防犯対策を講じることで管理の行き届いている状態にすることが大切になってくると思います。

建物全体の防犯性の向上が大切

管理会社様やオーナー様が対策とは何でしょうか。集合住宅の場合、侵入経路の多くは玄関と窓に集中しており、この部分の防犯を強化することが有効な対策になります。しかし空室だけに、このような対応をするのではなく建物全体、敷地に付属した防犯対策が大切です。

入退管理システムの導入

入居者が通る、共有のエントランスにオートロックのシステムや入退を管理できるようなシステムを導入する方法です。不審者や入居者以外の人がエントランスから建物に入ることを制限でき、犯罪に空き室を利用することを簡単にはできないようにしています。


防犯カメラや各種センサーの設置

防犯カメラやセンサー自体に、侵入を妨げる直接の機能はありませんが、侵入者が嫌う設備で抑止効果を狙います。中にはセンサーに反応して通報が入るといった防犯システムも有効です。


補助錠による窓や出入り口の強化

ドアは補助錠を設置して「1ドア2ロック」にしたり、窓には鍵付きのクレセント錠に交換・設置して強化することも侵入対策に有効です。


設備だけでなく、人の目が行き届きやすい環境も

空室の犯罪は、その物件の資産価値低下につながる恐れがあります。防犯設備の整えることも重要ですが、それ以外にも建物の定期的な巡回や共有部・玄関回りの清掃はもちろん、人の出入りを増やし人の目を多くすることも防犯環境を向上させる一つの手段といえます。 物件によって、防犯環境は異なります。具体的にどのような手段が適切なのか、または何が可能なのか判断が難しいケースも少なくありません。そのような場合は専門のプロに相談してみることをおすすめします。
「錠」と「鍵」の表記について
錠前(錠・ロック・lock)は、扉などに取り付けて締める金属、機械的または電子的な部品をいいます。鍵(かぎ・キー・key)は、錠前を施錠・解錠する(操作する)ための器具をいいます。ここでは便宜上、日常的な会話に合わせて、鍵と錠前をまとめて「鍵(かぎ)」と記載している場合があります。
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